過去の値動きと現在の値動きのパターンを比較し分析する「テクニカル分析」ですが、その中でも最もポピュラーで多くの投資家達に実際に使われている移動平均線について詳しく見ていきましょう。
移動平均線の概要
移動平均線とは、過去一定期間の終値の平均値を線で結んだものです。
移動平均線を使うことで、今のトレンド状態やエントリーポイントを判断することが出来ます。

移動平均線の仕組み
移動平均線は、例えば、期間10日であれば、直近の10日間の終値を合計し、それを10で割った数値を取ります。
そして、翌日以降は1日ずつずれていきます。
これを順次計算し、線で結んだのが移動平均線となります。

移動平均線の期間設定
移動平均線の期間については以下の期間がよく使われています。
- 短期:15、21、25
- 中期:50、75、100
- 長期:200
初心者の方は、移動平均線の「設定期間はどの数値が一番いいのか?」という疑問にぶつかるかと思いますが、結論から申し上げると、短期は15か25、中期は50か75、長期は200と、短期・中期・長期の中から一つずつ選択するのであれば、どれを選んでも問題はありません。
移動平均線の基本的な使い方
移動平均線の概要はつかんで頂いたと思うので、その使い方について見ていきましょう。
移動平均線を使う際には以下のポイントから手法を組み立てることが出来ます。
- 移動平均線の向き
- 移動平均の角度
- ローソク足との位置関係
平均線の向きからトレンドの方向線を認識する
まず、為替相場の動きは、上昇するか、下降するか、それとも横ばい(レンジ)かの3つしかありません。

移動平均線をチャートに表示させれば一目瞭然で、移動平均線が上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンドと判断することが出来ます。
そして、移動平均線の向きが横ばいであれば、相場は横ばいでトレンド無しと判断することが出来ます。
平均線の角度からトレンドの強弱を認識する
移動平均線の角度は、そのトレンドの強弱を表します。

移動平均線の「角度が急な程、トレンドが強く」「角度が緩やかであれば、トレンドが弱い」ことを示します。
上昇の勢いが弱まると、移動平均線の角度も緩やかになり、最後はトレンドが転換し下降トレンドに転換しています。
ローソク足との位置関係からエントリーポイントを判断する
移動平均線の向き、角度、そして最後のポイントが、移動平均線とローソク足の位置関係になります。
ローソク足との位置関係からエントリーポイントを判断する手法に『ゴールデンクロス』『デッドクロス』と呼ばれるものがあります。
ゴールデンクロスとデッドクロス
ゴールデンクロスとデッドクロスは、異なる期間の移動平均線の交差に注目して、トレードを判断する手法のことです。

ゴールデンクロスによる買いシグナル
ゴールデンクロスとは、中・長期移動平均線が上向きもしくは横ばいの時に、短期移動平均線が下から上へ突き抜けることで、直近の価格傾向が上向きに転じたとみられるため買いサインと言われています。

デッドクロスによる売りシグナル
デッドクロスとは、中・長期移動平均線が下向きもしくは横ばいの時に、短期移動平均線が上から下へ突き抜けることで、直近の価格傾向が下向きに転じたとみられるため売りサインと言われています。

移動平均線まとめ
移動平均線は過去の一定期間の終値の平均線を結んだもので、「向き」「角度」「ローソク足との位置」に着目することが基本的な使い方です。
また、移動平均線に加えて、他のテクニカル分析のインジケーターを合わせて使用することでトレードの制度を上げることができます。
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