経済指標

GDPとは?国内総生産と為替市場に与える影響

経済指標の中でチェックしておきたい項目に「国内総生産」があります。

英語表記の「GDP」なら見覚えがあるという方もいるかもしれません。

GDPは、各国の経済力を示す経済指標であり、Newsや新聞でも取り上げられます。

国内総生産とは?

国内で、1年間に新しく生みだされた生産物やサービスの金額合計で、各国の経済力の目安によく用いられます。

英語表記「Gross Domestic Product」の略で「GDP」とも呼ばれます。

また、「経済成長率」はGDPが1年間でどのくらい伸びたかを表すもので、経済が好調なときはGDPの成長率は高くなり、逆に不調なときは低くなります。

名目GDPと実質GDP

国内総生産(GDP)には「名目GDP」と「実質GDP」の2種類があります。

名目GDPは、単純に生産額を足し合わせたもので、実質GDPはインフレデフレの影響を除いたものです。

一般に、為替相場で注目されるのは実質GDPです。

日本のGDPの推移と世界との比較

では、日本のGDPはこれまでどのように推移してきたのでしょうか。

他国と比較して、日本は経済力がある国と言えるのか詳しく見ていきましょう。

日本のGDPの推移

出典:内閣府「GDP統計」

日本の国内経済は、バブル崩壊後90年代後半にかけて長らく経済成長率が低迷した後、1999年~2000年にかけて「ITバブル」によって一旦反発したかに見えましたが、ITバブルが崩壊したことで成長率の上昇は続きませんでした。

その後2008年にアメリカを発端としたリーマンショックにより、日本国内の経済も深刻な打撃を受けましたが、2011年の東日本大震災を乗り越えて経済成長率はやや持ち直し、1980年代と比較すると依然として低いですが、ここ数年は横ばいが続いています。

世界のGDP比較

各国の名目GDP世界ランキングを見てみると、1位アメリカ、2位中国と続き、日本は3位と順位が高いことがわかります。

経済大国であるアメリカのGDPが世界に占める比率が約24%、次いで中国のGDPは約16%となっています。

日本のGDPが世界全体に占める割合は5.7%と上位2カ国と比べると低いですが、名目GDPは世界的に見ても大きく、依然として経済力のある国家といえます。

出典:内閣府「GDPの国際比較」

しかし、日本の一人当たりの名目GDPは、先進国の中でも低く2021年はOECD加盟国の中で19位となっています。

外国為替市場でのGDP

外国為替市場において、国内総生産(GDP)は市場を動かす材料として注目されます。

GDPは国によって若干異なりますが、基本的に「速報値」「改定値」「確報値」が別々に発表されます。

為替市場では「速報値」の発表に反応した値動きが大きく、前期比、前期比年率、前年同期比の値に注目されます。

また、事前予想値と結果が大きく異なる場合には注意が必要で、当該国の通貨が急騰・急落することもあります。

FX取引で指標発表後の値動きを予測し、事前に狙ってポジションを持つこともできますが、GDP発表直後は上下に荒れた値動きとなることは少ないため、発表国のファンダメンタルに変化がないかを確認することが重要です。

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