相場の価格変動範囲を予測できるテクニカル指標にボリンジャーバンドがあります。
今回はそんなボリンジャーバンドの具体的な活用方法についてみていきましょう。
ボリンジャーバンドとは
ボリンジャーバンドとは、米国の投資家であるジョン・ボリンジャー氏が開発したテクニカル分析手法の一つです。
価格変動率を示す標準偏差が利用されており、相場の方向性を示すだけでなく、価格変動率に応じてバンドが縮まったり広がったりして次の値動きを予想できるトレンド系インジケーターです。
ボリンジャーバンドの構成
ボリンジャーバンドは一般的に上下3本の線(バンド)と移動平均線で構成されています。
上下3本の線は統計学上の標準偏差が使われており、真ん中の平均線の期間は設定で自由に変更することができますが、一般的に期間は20で設定されることが多いです。
このσ(シグマ)とは以下の確率でチャートがそれぞれの線(バンド)の中に収まるという意味で、以下の計算式によって構成されています。
- 標準偏差の計算式(nは設定した平均線の値)
標準偏差=√(n×n日間の終値の2乗の合計-n日間の終値の合計の2乗)÷(n×(n-1)) - ボリンジャーバンドの計算式
±1σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差
±2σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 2
±3σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 3 - 価格がバンド内に収まる確率
±1σの範囲に収まる確率 ⇒68.26%
±2σの範囲に収まる確率 ⇒95.44%
±3σの範囲に収まる確率 ⇒99.74%
ボリンジャーバンドによる逆張りは危険
ボリンジャーバンドでは、±2σのバンドには95.44%の確率でレートがバンド内に収まることを説明しました。
ここで、単純にレートがバンドの上限に達したから売り、下限に達したから買い、と逆張りのトレードをすることは危険です。
なぜなら、実際のチャートではレートがバンドに到達した後、さらにトレンドが加速してなかなか反転しないケースが相応にあるためです。
ボリンジャーバンドによるトレード手法
ここからは、ボリンジャーバンドを使ったFXのトレード手法を説明していきます。
スクイーズ
スクイーズとは、ボリンジャーバンドが収縮している状態です。
ボリンジャーバンドがスクイーズしている状態では、変動率が少なく価格が上下に行ったり来たりする相場(レンジ相場)が発生する傾向があります。
そのため、あまり利益を期待できる相場ではありません。
エクスパンション
エクスパンションとは、ボリンジャーバンドが拡大している状態です。
ボリンジャーバンドがエクスパンションしていると、変動率が高くどちらか一方方向に動くトレンドが発生しやすい状態です。
そのため、利益を大きく狙いやすい相場といえるでしょう。
バンドウォーク
バンドウォークは、価格が1σ(シグマ)や2σ(シグマ)に沿って一方方向に動いている状態です。
ボリンジャーバンドがバンドウォークしている状態では、トレンドの継続が高まりその方向へより大きく動く傾向があります。
そのため、トレンドが発生している方向へ取引をすれば、より成功率が高まるでしょう。
ボリンジャーバンドの取引例
それではボリンジャーバンドを用いた取引についてみていきましょう。
基本は「スクイーズ」(縮小)から「エクスパンション」(拡大)が発生するする際のトレードです。
- バンドが縮小している状態から、拡大するタイミングを狙う
- エクスパンション時、ローソク足がバンドの外側でエントリー
- 反対のバンドが縮まったら利益確定
他の指標と組み合わせて使う
また、ボリンジャーバンドは、視覚的に分かりやすいテクニカル指標である一方で、ボリンジャーバンドのみで売買タイミングを計るのは難しいため、MACDやRSIといったオシレーター系のテクニカル指標と併用するとより効果的になります。
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