夏枯れ相場とは?
8月は外国人投資家がサマーバケーション(夏休み)を取る投資家が多く、取引量が減少することから「夏枯れ相場」などと言われます。
また、お盆の前にドルを円に替えて盆休みを取る、輸出企業も多いため、ドル安、円高が進みやすい傾向があると言われています。
8月は本当に夏枯れ相場なのか?
今月は8月ということなので、8月は本当に他の月より変動が少なく、ドル安、円高になっているのか、過去のチャートから見ていきましょう。
今回は『investing.com』より各月の変動値(高値-安値)を抽出して、MT4の1日足で可視化しました。
2020年の為替チャート
2020年為替チャート 設定:1日足
水色:8月の為替チャート
黄色:前後一月(8,9月)の為替チャート
チャートを見る感じでは、夏に向けて円高が進んでいる傾向が見られ、実際の8月の変動値(高値-安値)も2020年でワースト2に入る1.96(ワースト1は12月の1.88)で、確かに「夏枯れ相場」と言えるのではないのでしょうか。
ただ2020年はコロナショックによる市場の混乱や11月の大統領選挙に向けての円高圧力などもありました。
2019年の為替チャート
2019年為替チャート 設定:1日足
水色:8月の為替チャート
黄色:前後一月(8,9月)の為替チャート
2019年のチャートではより円高方向へ進んでいるのが見られ、9月から帰ってきた投資家たちが円からドルに買い戻しているのが伺えます。
ただし、変動値(高値-安値)に関しては4.86円もの動きが見られました。
変動が大きいのは休み前と休み後
2019年為替チャート 設定:1日足
水色:8月の為替チャート
8月の為替チャートを拡大してみれば、8月初週が一番変動値が大きい(2.06)のがわかり、8月の平均は0.94円(1日を抜いたら0.89)とそこまで大きいとは言えないのがわかります。
まとめ
- 8月はドル安、円高圧力が強くなる
- 変動値は特別小さくなるわけではない
- 7月末〜8月初週に向けて円高方向に値動きがみられる
このように、8月に円高方向に値動きが見られるのは事実でしたが、かと言って取引量が劇的に減るもので無ければ、相場が特別荒れているわけではありませんでした。