経済指標の中でチェックしておきたい項目に「ISM景気指数」があります。
ISM景気指数は、米国の景気を知るための重要な指標になります。
ISM景気指数とは
ISM景気指数は、全米供給管理協会が300社以上の仕入れ担当者を対象にしたアンケート調査から数値を算出しています。
また、ISM景気指数は製造業に対して実施するアンケートと非製造業に対して実施するアンケートの2種類あります。
ISM景気指数の算出内容
ISM景気指数で利用するアンケートの回答方法は、質問に対して1ヶ月前より「良くなっている」「同じ」「悪くなっている」の三者択一方式で、ISM景気指数の数値は0~100まで表されます。
良くなっていると回答した会社と悪くなっていると回答した会社が同比率になる場合、数値は50になります。
つまり約300社のアンケート回答で、景気がよくなっている比率が高い場合は50より上になり逆の場合は50を下回ります。
2つのISM景気指数
ISM景気指数は2種類あり、各指標の発表日時や算出方法が異なります。
ISM製造業景気指数
ISM製造業景気指数は月次、翌月第1営業日の日本時間(夏時間23:00、冬時間24:00)に発表。
アンケート項目の「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の5項目より総合指数を算出。
米国の名目GDPに占める製造業の割合は10%程度なので、GDPに大きな影響を及ぼすものではありませんが、米国の重要経済指標発表の中でも速く発表される為、注目度が高い指標とされています。
ISM非製造業景気数
ISM非業景気指数は毎月第3営業日の日本時間(夏時間23:00、冬時間24:00)に発表。
アンケート項目の「事業活動」「新規受注」「雇用」「入荷遅延」の4項目より総合指数を算出。
ISM非製造業景気指数は、米国の名目GDPの90%を占めている為、注目度の高い指標です。
非製造業(サービス業)は米国の労働者のほとんどを占めている為、雇用統計より速く発表されるサービス業景気指数を雇用統計の先行指標として捉えられる傾向があります。
SIM景気指数の見方
ISM景気指数は企業の景況感を表す指標で、数値50を起点にして、数値が高ければ高いほど景気拡大ペースが速く景気良好の示唆になります。
逆に数値が低くなると景気が減速しており、景気後退をしめしています。

出典:Yahooファイナンス
FRBの政策金利にも影響する
ISM景気指数によって、FRBが金利上げのスタンスを取るかの判断材料にもなります。
利上げは為替市場に大きく影響する為、ISM景気指数は単純に景気の良さ・悪さを知る指標ではありません。
また、ISM非製造業景気指数に関してはGDPと密接な関係にあり、GDP成長率をある程度把握することもできます。
ISM景気指数は米国の景気を知る重要な指標
ISM製造業指数は、米国の景況感を示す指数です。
数値が50を超えているかどうかに加えて、市場予想との比較および継続的にチェックすることで、より景況感を掴めるようになります。
ISM景気指数まとめ
- 発表時期
ISM製造業景気指数
月次、翌月第一営業日、日本時間(夏時間23:00、冬時間24:00)
ISM非業景気指数
毎月第3営業日、日本時間(夏時間23:00、冬時間24:00) - 内容
米国の製造業・非製造業から業績の良し悪しをアンケートで集計した数値 - 目的
ISM景気指数からFRB利上げのタイミングとGDP成長率を把握する